【5月23日 AFP】財務省が23日に発表した4月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5203億円の赤字となった。

 赤字額はエコノミストらが予想していた4700億円を上回り、さらに東日本大震災発生翌月の2011年4月の4777億円も上回った。

 自動車や自動車部品の輸出が伸びて輸出額は前年同月比7.9%増の5兆5700億円になった一方、原油や液化天然ガス(LNG)の輸入が拡大して輸入額は同8.0%増の6兆900億円になった。

 日本は東日本大震災による東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故を受けて国内の全原発が停止していることに伴い、不足する発電量を補うためにコストの高い火力発電に頼っている。

 専門家の間では、高い液化天然ガス価格や輸入の増加、高齢化の急速な進展、製造業の縮小などによって、日本の貿易収支は2012年を通して赤字になる恐れがあると指摘されている。(c)AFP