【5月8日 AFP】魅力的なバレリー・トリルベレール(Valerie Trierweiler)さんにとって、スーパーモデルからファーストレディーを引き継ぐことはおそらく問題にならないだろうが、フランス初の「事実婚」ファーストレディーとして外国を公式訪問することは問題になるかもしれない。

 6日に次期仏大統領に選出されたフランソワ・オランド(Francois Hollande)氏とパートナーのトリルベレールさんが、オランド氏がエリゼ宮(Elysee Palace)の鍵をもらう15日よりも前に正式に結婚するかどうかについては、いくつかの憶測が広がっている。

 もしそれまでに結婚しなければ、公式訪問の際に未婚の女性を腕に抱えた未婚の元首を正式の手続きで出迎えることに、一部の国はばつの悪い思いをするかもしれない。

 47歳のトリルベレールさんは2度の離婚経験があるジャーナリストで、10代の子どもが3人いる。今後もジャーナリストとしてのキャリアを続け、ファーストレディーの仕事と兼務すると語るトリルベレールさんは最近、この未婚問題を相手にしない考えを示した。

「そこまでの(大きな)ことなのか私にはわからない。ローマ法王を訪問する際にはもしかしたら問題になるのかしら? 率直に言って、私はあまり気にしていない。結婚に関するこの問題は、なにより私たちの私生活の一部なのだから」と、トリルベレールさんはAFPに語った。

■アラブ諸国や保守的な国で問題視されるか

 ローマ法王庁以外にも、事実婚であることが外交上のジレンマになりそうな国には、イスラム教の慣習に従うアラブ諸国や、インドの様な保守的な社会が挙げられる。

 大統領選で敗北したニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が2008年1月にアラブ諸国を訪問した際には、当時はまだ結婚していなかった恋人で元スーパーモデルのカーラ・ブルーニ(Carla Bruni-Sarkozy)さんを同行させることができず、サルコジ氏は1人で行かざるをえなかった。

 またサルコジ大統領は、結婚して家族を作ることが人生で最も重要な目標だと考えられているインドでも、外交的混乱をもたらした。インドとフランスの当局者は、サルコジ氏の公式訪問の際にブルーニさんをどのように扱うべきかについて長い協議を重ねている。

 インドのメディアは当時、サルコジ氏とブルーニさんが同じスイートルームに宿泊するのか、また、ブルーニさんが公式晩さん会に出席するのかという話題で持ちきりになったが、最終的にブルーニさんはサルコジ氏のインド訪問には同行せず、結婚後に初めて「愛」を象徴するタージマハル(Taj Mahal)を訪れることになった。(c)AFP/Rory Mulholland