【4月17日 AFP】オーストラリア・クイーンズランド(Queensland)州ゴールドコースト(Gold Coast)の水族館「シーワールド(Sea World)」から盗まれていたコビトペンギンが15日発見され、同水族館に無事戻された。

 現地の警察によると、14日夜、3人の若者がシーワールドに侵入し、イルカの水槽の中で泳いだ後、7歳のコビトペンギン「ダーク(Dirk)」を盗んで逃走したという。

 ダークは15日、付近の浅い河口を通りがかったカップルに発見された。シーワールドのトレバー・ロング(Trevor Long)海洋科学ディレクターによると、カップルが「水中からただならぬ音を聞いたかと思うと、ペンギンが砂の上にあがってきた」という。

 ロング氏によると、カップルは、おそらくサメと思われる生物に追われて陸上に逃げたダークが、今度は犬に追われて逆戻りしている様子を目撃したと述べた。

■サメ?とイヌに追われて疲れ果てる

 ロング局長は「非常にまれなケースだと思ったカップルが、持っていたiPhone で『lost penguin(いなくなったペンギン)』とグーグル(Google)検索したら該当するニュースが出てきたため、その場からわれわれに連絡することができた」と説明。最終的にはシーワールドの職員がダークを保護した。

 発見当時、ダークは疲弊していた他に異常はなかったが、これまで繁殖コロニーの中だけで生き、野生に放たれた経験がないため、同局長は「われわれが保護していなければ、長期的にはダークにとって良い環境ではなかっただろう」と語った。 

 水族館に戻ったダークはパートナーの「ピーチズ(Peaches)」と再会した。ロング局長は「この種のペンギンは一生同じパートナーと添い遂げるため、ダークを取り戻すことは非常に意味があった」と述べている。

 ダークを盗んだ3人はそれぞれ18歳、20歳、21歳で、「手柄」をフェイスブック(Facebook)に投稿したところ、通報されたと報じられている。3人は侵入・窃盗・保護対象生物の違法所持で起訴された。3人は警察に対し、サメが生息することで知られるブロードウォーター(Broadwater)にダークを逃がしたと供述したという。

 一方、ロング氏は、ダークは「昨夜保護した時は非常にやつれ、疲れていたが順調に回復している」と語った。(c)AFP