【4月16日 AFP】エジプトの大統領選挙管理委員会は14日、立候補を届け出た23人のうち10人を失格としたと発表した。

 失格とされた中には、ムバラク政権時代に諜報機関のトップだったオマル・スレイマン(Omar Suleiman)前副大統領、穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」のハイラート・シャーテル(Karat al-Shatter)元副団長、スンニ派原理主義の一派サラフィスト系のハゼム・アブイスマイル(Haze Abu Ismail)氏ら、有力候補が含まれている。

 選管関係者はAFPの取材に、スレイマン氏は15県で法的な出馬資格を満たしておらず、シャーテル氏は刑期を終えるか、恩赦を受けてから6年が経過しなければ出馬できないという法律の規定に触れると述べた。シャーテル氏は失脚したホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領時代に、テロおよびマネーロンダリング(資金洗浄)の罪で服役し、前年3月に刑務所から出所したばかりだった。

 アブイスマイル氏は母親が外国籍をもっているため、全ての立候補者は本人および両親、妻がエジプト以外の市民権を持っていてはならないという選挙規則に違反するという。

 5月23、24日に行われる大統領選まで6週間を切った中、有力候補に対する失格措置はエジプトの政局に再び混乱を招くと懸念する見方も出ている。

 失格とされた立候補届出者は、48時間以内に不服を申し立てることができる。半国営の中東通信(MENA)によれば、スレイマン氏は立候補の正当性を示す書類をそろえて不服を申し立てる意向だ。同様にムスリム同胞団も不服を申し立てるという。同砲団は、シャーテル氏の失格も想定して2人目の候補者を立てている。アブイスマイル氏は自身の失格処分について、「これは彼ら(選管)のたくらみだ。エジプトの法および憲法に違反している」とイスラム系テレビHickmanに語った。(c)AFP/Ines Bell Alba