【3月26日 AFP】映画『タイタニック(Titanic)』のジェームズ・キャメロン(James Cameron)監督が26日、1人乗り潜水艇で、世界で最も深い南太平洋マリアナ海溝の最深部への潜航に成功した。探査計画の運営者らが同日発表した。

 ミッションパートナーの科学誌ナショナル・ジオグラフィック(National Geographic)によると、キャメロン氏は26日午前7時52分(日本時間同日午前6時52分)水深1万898メートル地点に到達した。

 単独潜水によるマリアナ海溝(Mariana Trench)のチャレンジャー海淵(Challenger Deep)の海底到達は史上初めて。チャレンジャー海淵の海底を目指した潜水自体も、1960年に行われた2人チームによる探査以来だった。

 潜水計画を運営したディープ・シー・チャレンジ(Deep Sea Challenge)は、ツイッター(Twitter)で「ジム・キャメロンが海面に浮上した!海の最深部への歴史的な単独潜航、おめでとう」と述べた。

■水圧は1平方インチあたり8トン

 そのあまりの深さから、マリアナ海溝は常に暗闇の中にある。水温は水が氷になる温度よりわずか数度高い程度だ。また、海溝の底の水圧は1平方インチあたり8トン、海面上の大気圧のおよそ1000倍に上る。

 キャメロン氏は海底で数時間を過ごし、科学調査用のサンプル採取や写真、動画の撮影を行った。探査の目標は未踏査の領域からデータと標本を持ち帰ることだったが、その結果は後ほど発表されるという。

 マリアナ海溝は太平洋の西部、フィリピンの東部に位置し、マリアナ諸島(Mariana Islands)の東約124キロメートルにある。(c)AFP/Fabienne Faur

【動画】潜水艇に乗ったキャメロン監督(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)