【3月19日 AFP】インドネシアで、タバコを1日1箱以上吸う8歳のヘビースモーカー少年が健康上、危機的な状況に陥りかねないとして1か月の禁煙セラピーを受けることになった。

 インドネシアの児童保護機関National Commission for Child ProtectionNCCP)が16日に明らかにしたところによると、この少年はジャワ(Java)島西部に住むイルハム・ウマル(Ilham Umar)くん。

 8歳にしてすでに4年の喫煙歴を持つイルハムくんは、1日に平均25本のタバコを吸っており、タバコ依存が行動に悪影響を及ぼす「警戒域」に達したことから、NCCPは緊急治療を要すると判断した。NCCPによると、イルハムくんは短時間でもタバコを吸わないでいると非常に攻撃的になり、手がつけられなくなる。その様子はまるで「悪霊にとりつかれたよう」だという。

 イルハムくんの父親のアガン・ウマル(Agan Umar)さんは、タバコを与えないとイルハムくんは激怒して「窓ガラスを割ったり、周りにある物を手当たり次第、壊したりする」と話した。

 イルハムくんは専門医療施設で集中禁煙治療を受けるため、19日に首都ジャカルタ(Jakarta)に向かう。施設では、健康診断で喫煙がイルハムくんの健康に及ぼした影響を調べた後、イルハムくんの関心を喫煙から遊びに向ける精神・社会セラピーを行うという。

 世界保健機関(WHO)の2006年の調査によると、インドネシアでの高校生と大学生の喫煙率は37%を超え、3歳~15歳の25%が喫煙をしたことがあるなど、同国は若者の喫煙率が世界で最も高い国だという。(c)AFP/Presi Mandari

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