【3月16日 AFP】白米を多く食べると2型糖尿病の発症リスクが高まる恐れがあるとの研究を、米ハーバード大の研究者らが15日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」に発表した。2型糖尿病は一部の国で患者数が急増している。

 研究を主導したハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)の孫齊(Qi Sun)氏は、「アジア系の人々のように白米を多量に摂取することで、2型糖尿病のリスクが高まる可能性があることが分かった」と指摘した。ただし「他の食品についてもよく注意を払うべき」「特定の食品についてだけでなく、食生活全般を調べることが肝要だ」とも述べている。

 孫氏の研究チームは、日本、中国、米国、オーストラリアで過去に行われた研究結果を再分析。のべ35万人以上の4~25年間にわたる追跡調査で、1万3000人以上が2型糖尿病を発病していることを確認した。

 分析によれば、日中で実施された過去の調査では1人あたり1日平均3~4杯の米を食べていたが、米を多く食べた人では2型糖尿病リスクが55%高まった。一方、1週間に平均1~2杯と米の消費量が圧倒的に少ない米豪では、リスク上昇率は12%にとどまった。

 孫氏はこの分析について、調査対象者の食生活について米以外の詳細な情報がないこと、4つの異なった調査をメタ分析したものであることを指摘。結果に100%の確証は得られないとしつつ「調査内容には一貫性があり、白米と糖尿病が関連しているという生物学的妥当性も見いだせる」と結論付けている。その上で、より詳細な調査の必要と、糖分や脂肪分を多く含む食品への引き続きの注意を呼びかけている。

 白米は世界で最もよく食べられている米の形態で、もみ米を脱穀・精米して作られ、成分のほとんどがでんぷんになる。精白前の玄米は繊維やマグネシウム、ビタミンを多く含み、血糖値の上昇しやすさを示す「グリセミック指数(GI値)」も白米と比べて低い。(c)AFP 【関連記事】白米は糖尿病リスクを上げる、米研究