【3月15日 AFP】クリスティーン・マルティネス(Christine Martinez)さんは前週の1週間をカリブ海に浮かぶサンバルテルミー(St. Barthelemy)島で過ごした。画像共有SNS「ピンタレスト(Pinterest)」でファッションセンスを披露し、大人気になったことがきっかけだ。

「ピンタレスト」はインターネットで今最も注目される新進サイトの1つ。バーチャルな掲示板に自分の好きな画像を飾り付けることができるサービスを提供している。自分で撮影した写真の他にも、食べ物からスポーツ、ファッション、旅行までインターネットで見つけたお気に入りの画像を掲示板に「ピン」する(張り付ける)ことができ、特に若い女性に人気がある。

「ああ、ピンタレストが大好き」。ファッションブロガーでもあるマルティネスさんは9日、サンバルテルミー島から米カリフォルニア(California)州オークランド(Oakland)への帰路の途上、ツイッター(Twitter)でこうつぶやいた。

 マルティネスさんのピンタレストには10日現在、43個の掲示板があり、趣味を反映した宝飾や水着その他、計5700枚の画像が張り付けられている。フォローしているユーザー数は100万人近い。

 ファッションサイトとしての影響力の大きさに目をつけたビーチウエア・ブランド「カリプソ・セント・バース(Calypso St. Barth)」が、マルティネスさんを1週間のカリブ海旅行に招待し、同ブランドの水着を「実況ピン」する企画を実施した。

■マーケティング力に飛びつくブランドたち

 ピンタレストは2010年初めに開設された。招待制にもかかわらず、過去6か月に猛スピードで成長し、現在のユーザー数は1300万人を超えるとされている。

 オンライン共有ツール「Shareaholic」の1月の報告によると、オンラインショッピングサイトへのトラフィック量は、ビジネス向けSNS「リンクトイン(LinkedIn)」と動画サイト「ユーチューブ(YouTube)」、それにSNSグーグル+(Google+)をすべて合わせた量よりも、ピンタレストからのほうが多い。

 ファッションブランドは続々とピンタレストに飛びつき始めている。主要な購買層への訴求効果の他にも、マルティネスさんの「MilestoStyle.com」ブログとカリプソ・セント・バースとの企画のようなコラボを手がけている。

「ピンタレストによってブランドが得られる無料の広告効果は驚くべきものがある」とブロガーのケリー・ソリオル(Kerry Sauriol)氏は「WomenInBizNetwork.com」で述べている。

「服飾メーカーや家具デザイナー、IT系企業などは、自社のピンタレスト掲示板を持っていなくても製品の画像を『ピン』され、楽しまれている。自社の掲示板を持っている会社ならば、どれほどのマーケティング力になるか、想像してみてほしい」(c)AFP/Glenn Chapman