【3月8日 AFP】米国防総省の技術開発機関、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects AgencyDARPA)は6日、地上を時速29キロで走るロボット「チーター(Cheetah)」を公表し、これまでの最高速度を塗り替えたと発表した。

「チーター」は小型犬ほどのサイズで頭部がなく、DARPAが公開した動画と写真にはこのロボットが研究室内のトレッドミル上を走っている姿が捉えられていた。

 DARPAの声明は、「脚を持つロボットでは地上最高速度を記録した」とし、1989年に米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)の研究チームが達成した時速21.1キロの記録を塗り替えたとした。

 一般の人間よりかなり俊足の「チーター」ではあるが、五輪金メダリストのウサイン・ボルト(Usain Bolt)選手にはかなわない。ジャマイカ代表のボルト選手は、時速45キロ近くで走行した記録を持っている。

「チーター」の開発にあたったのは、マサチューセッツ(Massachusetts)州ウォルサム(Waltham)にあるボストン・ダイナミックス(Boston Dynamics)社で、ロボット技術の進歩を目指すDARPAの「M3プログラム(Maximum Mobility and ManipulationM3)」の資金提供を受けた。

 DARPAは、このようなロボットが路上に仕掛けられた爆弾の撤去や戦場での障害を取り払うなど、米軍の作戦の効率を上げるために役立つと説明する。なおDARPAはこのプロジェクトに関する取材申請を拒否している。(c)AFP/Kerry Sheridan

【動画】歩行型最速の時速29キロ、米軍ロボット「チーター」