【3月1日 AFP】シリア政府軍の地上部隊は2月29日、反体制派の拠点となっている中部ホムス(Homs)のババアムル(Baba Amr)地区を攻撃した。

 ある治安関係者は首都ダマスカス(Damascus)でAFPに対し、ババアムル地区は政府側がほぼ完全に制圧し、地下室などに武器や「テロリスト」がいないか、軍がビルや住宅に1棟ずつ立ち入って捜索を始めたと語った。

 これに先立ちシリア軍の精鋭部隊がババアムル周辺のいくつかの場所を占拠したと語っていた反体制派や人権団体は、戦闘はババアムルの周辺でしか起きておらず、政府軍はババアムルに砲撃を加えてはいるが、地区内に入ってはいないとしている。

 反体制派の司令官らは、ホムスに物資を運び込む最後の手段になっていた地下送水路が政府軍の砲撃で破壊されたため、ホムスは完全に孤立していると話している。

 ホムスで政府軍の砲撃を受け負傷した外国人ジャーナリストのうち、英国人報道写真家のポール・コンロイ(Paul Conroy)氏は27日夜にレバノンに脱出したが、同じ砲撃で重傷を負った仏紙フィガロ(Le Figaro)のエディット・ブービエ(Edith Bouvier)記者はまだババアムルから出られていない。

 活動家の国際組織Avaazは、ブービエ氏とコンロイ氏の救出に向かった活動家のうち13人が死亡したとしている。

 フランス外務省の報道官は、ババアムルでの停戦など、負傷者の移送に必要となる環境をシリア政府が整えることを期待すると述べた。これに対しシリア外務省の報道官は29日、シリア政府は負傷したジャーナリストの移送に協力しようとしたが、反体制派とジャーナリストたちが協力しなかったと非難した。(c)AFP