【2月29日 AFP】米オハイオ(Ohio)州シャードン(Chardon)のシャードン高校(Chardon High School)で27日起きた銃乱射事件で、逮捕された容疑者の少年(17)が無差別に発砲していたことが、検察当局によって明らかにされた。容疑者の複雑な家庭環境も浮かび上がっている。

 事件後まもなく逮捕された少年は、少年裁判所での予備審問で、簡単な質問に「はい」と答え、生年月日の確認に応じるために言葉を発したのみだった。ティモシー・グレンデル(Timothy Grendell)判事は弁護人にこの事件について口外することを禁じ、報道陣には容疑者の顔写真の撮影を禁じるとともに、少年に15日間の勾留延長を命じた。

 デビッド・ジョイス(David Joyce)検察官はシャードンの少年裁判所で「拘留中、同容疑者は権利について告げられた後、22口径の銃とナイフを同校に持ち込んだと供述」し、「容疑者は顔見知りでない生徒らに向け無差別に10発撃ったことを認めた」と述べた。

 ジョイス検察官は少年裁判所前に詰め掛けた報道陣に対し、容疑者がいじめに遭っていたという臆測は否定した。同検察官は、容疑者は少年裁判所が「相当な理由」があると判断すれば、少なくとも3件の加重殺人について成人裁判所で裁判を受けるだろうと語った。

■複雑な家庭環境

 容疑者の父親は家庭内暴力で服役したことがある。父親は警察によって息子への接近を禁じられていたため、容疑者は法定後見人である祖父と生活していた。

 現地メディアがこぞって引用している裁判の記録によると、1995年から97年までの間、容疑者の両親は互いに対する家庭内暴力の罪に問われていた。

 地元紙クリーブランド・プレーン・ディーラー(Cleveland Plain Dealer)は裁判記録を引用して、容疑者の父親は、女性の頭部をつかんで蛇口の流水にさらしたうえ、壁に頭部を強打した後で警察官に暴行を加えたことで有罪となって服役したと報じた。

■死者3人に

 容疑者の家族は事件当日の夜、弁護人を通して声明を発表した。ボブ・ファリナッチ(Bob Farinacci)弁護士は米NBC系列の現地テレビ局に対し「家族は悲嘆に暮れています。亡くなられた青年のご遺族に心からお悔やみ申し上げ、負傷された方々の回復をお祈りいたします」と声明文を読み上げた。

 事件の数時間後に生徒1人が搬送先の病院で死亡し、重体になっていた2人も28日に死亡した。残る負傷者2人のうち1人は依然入院しているが、撃たれたなかで唯一の女子生徒は退院した。(c)AFP/Afi-Odelia Scruggs