【2月27日 AFP】南極半島(Antarctic Peninsula)近くのキングジョージ島(King George Island)にあるブラジルの南極観測基地「コマンダンテ・フェラス(Comandante Ferraz)」で25日、爆発を伴う火災が発生し、同国海軍兵士2人が死亡、1人が負傷した。

 発電機の設置された部屋から出火し、ブラジル海軍の声明によると基地の70%が焼失したという。セルソ・アモリン(Celso Amorim)国防相は25日夜、「設備の集中する基地の中心部全て」が消失したと述べ、正確な被害規模はまだ分からないものの「事実上、何もかもが失われた」との見方を示した。

 基地にいた民間人32人と海軍兵士12人は、チリ南部プンタアレナス(Punta Arenas)の基地に避難した。これからブラジル空軍の輸送機で帰国する予定だ。

 コマンダンテ・フェラス基地は1984年に建設され、沿岸部や大陸棚の海洋生物の生態系を中心とした生物科学調査が行われていた。ブラジル科学技術省によると、南極における気候変動の影響も研究していた。専門家らは、非常に高価な設備と前年12月以降に収集したデータを失っただけでなく、数十のブラジルの研究グループが南極での活動拠点を失ったとして、同国の戦略的南極研究における大損失だと指摘している。(c)AFP/Gerard Aziakou