【2月27日 AFP】米ロサンゼルスで26日(日本時間27日)開かれる第84回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式で、主催者側から「レッドカーペットでばかなまねはしないように」とくぎを刺されていた英国のコメディアン/俳優サシャ・バロン・コーエン(Sacha Baron Cohen)がやはり「やらかした」。

 サシャ・バロン・コーエンは、最近出演した新作映画『ディクテーター(原題、The Dictator)』にちなみ、軍服コスチュームに身を包んでレッドカーペットに登場。かたわらには同じく軍服に赤いベレー帽姿の美女2人を引き連れ、手には北朝鮮の故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の写真で飾った「骨壺」を抱えていた。
 
 授賞式の装いについて、到着するスターたちにインタビューしようと待ちかまえていた有名司会者のライアン・シークレスト(Ryan Seacrest)にコーエンは、軍服はジョン・ガリアーノ(John Galliano)のデザインだと答えた。ただし「靴下だけはディスカウントストアの安物だ。昔サダム・フセイン(Saddam Hussein)に言われたことがあるんだよ。『靴下は靴下だ。無駄金を使うんじゃない、ってね』」と付け加えた。

 次に授賞式に興奮しているかと聞かれたコーエンは、「骨壺」を見せながら「僕の大親友であり、テニスのパートナーでもある金正日を連れてくるいい機会だからね。オスカーに来てレッドカーペットにまかれ、ハル・ベリー(Halle Berry)の胸に再び飛び込むことが彼の夢だったからね」とジョークを口にした。

 ここでコーエンは、列を作る報道カメラを前に「骨壺」が手からすべったふりをし、金正日の遺灰にみたてた粉を、目の前にいたシークレストのフォーマルスーツとレッドカーペットにぶちまけた。

 スーツ前面の上から下まで粉だらけとなったシークレストに「今日は何を着ているの、って聞かれたら、金正日だって答えるといいよ」と叫びながら警備員に連れて行かれたコーエンは、裏手で骨壷を拾って来いと警備員をののしっていた。

 粉まみれになりながらも落ち着きを取り戻し、放送を続けたシークレストは後からこの一騒動について「ちょっと埃っぽくなってしまった。僕はコメディの犠牲者さ」と冗談交じりに愚痴をこぼした。(c)AFP

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