【2月22日 AFP】まだ話すことのできない赤ちゃんも、相手をからかったり、友情を結んだりする方法を知っているとの研究を、オーストラリアのチャールズ・スタート大学(Charles Sturt University)の研究チームが発表した。

 研究チームは、保育所の赤ちゃんたちの頭部に小型カメラを装着し、他の赤ちゃんとどのように交流するかを2年間研究した。赤ちゃんたちにはカメラの装着を強要せず、1回の装着時間も10~15分ほどだったという。

 こうして収録された映像には、生後6~18か月の赤ちゃんが洗練された非言語手段を使って友達を作り、互いを笑わせ合う様子が映っていた。

■「赤ちゃん目線」で見えてくるもの

 同大学の幼児教育学教授、ジェニファー・サムション(Jennifer Sumsion)氏は、この研究から、スプーンでさえも特大サイズ見える「赤ちゃん目線」の世界を知り得ることができたと述べる。

「赤ちゃんたちの社交能力や助け合う能力、さらにはグループに他の赤ちゃんを誘ったりと、赤ちゃんたちのとても洗練されている様子を見て私たちはとても驚きました」と、サムション氏はAFPに語った。

 サムション氏によると赤ちゃんたちは、視線と手の動作、それとユーモアを使って交流をしているとし、また赤ちゃんたちが「間近で観察しないと気づかないような、ちょっとした社交遊びをしている」という。

 例えば、相手におもちゃを渡すふりをして最後の瞬間にさっと遠ざけたり、隣り合う子どもいすに座った赤ちゃん同士がふざけて互いの飲料ボトルを取り換え合ったりするなどの遊びが見られた。

 あるときは、1歳の女の子が、不安気な様子の赤ちゃんに反対側が透けて見える布をそっとかぶせてあげ、赤ちゃんの視界を確保しつつも安心感が得られるよう配慮する姿がカメラにとらえられていた。

「私たちが驚かされたのは、これほど幼い赤ちゃん同士で行う遊びについてでした。これを確認できたのは非常に有益です」と、サムション氏は語った。(c)AFP