【2月8日 AFP】スウェーデンのフレデリック・ラインフェルト(Fredrik Reinfeldt)首相は7日、75歳まで働き続ける可能性に備えるよう国民に求めた。スウェーデン紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)とのインタビューで語ったもので、企業にも55歳を超えた人々に雇用の機会を開くよう求めた。

 中道右派連合政権を率いるラインフェルト首相は、高福祉国家として知られるスウェーデンでも高齢化が進んだ結果、退職年齢の引き上げなしには年金制度が立ち行かなくなると述べ、50歳以上の雇用の考え方を改め始める必要があると訴えた。 

 スウェーデンは柔軟な定年制度をとっており、61歳で年金を受給し始めるか、67歳まで働き続けるかを労働者自身が選択できる。スウェーデン統計局(Statistics Sweden)によると、2010年に65歳以上のスウェーデン国民のうち7.8%が仕事に就いていた。

 英国、北欧、バルト諸国の首脳が参加して高齢者の就業と女性の起業の促進などについて話し合うフォーラムの開幕を翌日に控えたラインフェルト首相は、平均寿命の伸びに伴ってなんらかの対策が必要だと指摘。年をとって現在の仕事を続けるのが難しくなったときには、年金生活に入るのではなく、体力が弱ってもできる仕事に就くことも検討すべきだと述べた。高齢者が教育機関で職業訓練を受けやすくすることも選択肢の1つとして浮上している。

 ラインフェルト首相の発言に対して、労働組合などから強い反発の声が上がった。国内で最も強い影響力がある「スウェーデン全国労働組合連盟(LO)」は同日、現在の平均退職年齢が約64歳であることを考えると、75歳まで働き続けることなど無理だとウェブサイトで反論した。その一方で、職場環境が改善されれば労働者の健康が保たれ、今よりも長い期間にわたって働き続けられる可能性があると付け加えた。(c)AFP