【2月7日 AFP】(一部更新、写真追加)インド洋の島しょ国、モルディブのモハメド・ナシード(Mohamed Nasheed)大統領が7日、3週間に及ぶ政治的混乱と警察当局の反乱を受け、辞任した。ナシード氏は同国で初めて民主的に選出された大統領だった。大統領の事務所は、警察がクーデターを企てたと表現している。

 ナシード大統領は、テレビ放送された記者会見で「現状では、私が辞任した方が国のために良い。私は力による弾圧で国を統治したくない。辞任する」と語った。

 大統領は前月、職権乱用や野党政治家に便宜を図ったとして、刑事裁判所のアブドラ・モハメド(Abdulla Mohamed)判事の逮捕を命令。これを受けて野党による大統領の辞任を要求する声が高まり、首都マレ(Male)では過去3週間にわたってデモが行われていた。

 大統領の辞任表明に先立ち、警察官もデモに参加。警察は国営テレビ局を占拠し、反大統領派放送局の番組を放送していた。

 モルディブ軍広報はAFPの取材に、軍部隊がマレの軍本部の外に集まったデモ隊や警察官と衝突し、軍が催涙弾やゴム弾を発砲したと述べ、「散発的な衝突は深夜ごろに始まり、午前8時まで続いた」と語った。

 またモルディブ軍広報は、大統領辞任について「クーデターではない」と述べた上で、「軍は大統領に本日中に辞任するよう助言した」と述べた。(c)AFP/Mohamed Visham