【2月3日 AFP】砂糖はアルコールやタバコ同様に健康に害を及ぼすとみなすべきで、各国政府は糖分を含む飲食料にも課税せよと訴える論文が、2日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California at San Francisco)の小児肥満症の専門家や健康政策の研究者ら3人が執筆したこの論文によると、心臓病やがん、糖尿病などの非感染症で死亡する人は世界で年間約3500万人に上る。肥満の波も、富裕国から発展途上国へ押し寄せつつある。

 国民の健康を守るためタバコやアルコールを規制している政府は多いが、「世界的な健康危機をもたらしている主犯格の1つは野放しだ」と論文は指摘。飲食物に添加される糖類への課税を提言している。

■なぜ砂糖への課税なのか

 論文は、糖類に課税することで、増大する糖類由来の健康問題へのコストを賄うことが可能になり、過剰摂取も抑制できると主張する。

 砂糖の世界消費量は過去50年で3倍に増え、特に米国では1日あたりの平均摂取カロリーが大幅に増加した。

 砂糖の習慣的な摂取が、高血圧や糖尿病などのメタボリック症候群においてゆっくりと、複雑ながら破滅的な役割を果たすことは数々の研究で明らかになっている。米国ではメタボリック症候群のため年間650億ドル(約5兆円)分も生産性が下がり、医療費は1500億ドル(約11兆円)にも上っていると論文は述べている。(c)AFP

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