【2月3日 AFP】1日にエジプト・ポートサイド(Port Said)でプロサッカーチーム、アル・マスリ(Al-Masri)とアル・アハリ(Al-Ahly)の試合後に起きた暴動で74人が死亡したことを受け当局が警戒を強めていた中、同国の首都カイロ(Cairo)で2日、デモ隊と警官隊が衝突し、保健省によると388人が負傷した。

 前日の暴動で警察が適切に介入しなかったとして内務省に向かおうとした数千人規模の群集に機動隊が催涙弾を発射した。負傷者の大半は催涙弾のガスを吸い込んだことによるものだった。

 群集は政権移行期の不安定な今の状況に適切に対処していないとして、エジプトを暫定統治している軍最高評議会を非難した。アル・アハリのサポーター数百人も、チームの本部からタハリール広場(Tahrir Square)を経由して内務省に向かう行進に加わった。

■サポーターグループもデモ行進

 今回の暴動はサッカーの歴史で最悪の事態の1つとなっただけでなく、同日のカイロ市場の株価も急落させた。1日の試合はアル・マスリが3-1でアル・アハリに勝利したが、試合中にアル・アハリのサポーターがやじを飛ばし続けたとして、試合後にアル・マスリのサポーターがピッチに乱入。選手や観客が逃げ惑う大混乱となった。

 もっとも、サッカーの試合でよく見られる程度のやじだったという目撃者の証言もある。

 アル・アハリの最も過激なサポーターグループ、ウルトラス(Ultras)は、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領を退陣に追い込んだ前年の民衆運動でも活発に活動していた。(c)AFP/Ines Bel Aiba

【動画】警官隊と衝突したデモ隊(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)
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