【2月2日 AFP】スペインのプラド美術館(Prado Museum)は1日、同館が所蔵するレオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の『モナリザ(Mona Lisa)』の模写が、現存する最も初期のものであり、ダビンチ本人のアトリエで制作されたものであると発表した。模写作品のモナリザはより若く、魅力的に見えるという。

 首都マドリード(Madrid)にあるプラド美術館は同日、修復が完了したモナリザの模写『Mona Lisa of the Prado』を報道陣に公開した。この作品は18世紀に背景が黒く塗られたという。なぜ背景が黒く塗られたのかは分かっていない。

 修復作業により黒い絵の具の層が取り除かれた模写作品の背景には、丘や川など、現在フランス・パリ(Paris)のルーブル美術館(Louvre Museum)で展示されている本物のモナリザを思わせる風景が描かれていた。

 この模写作品についてはこれまで、より後の時期に制作されたものと考えられていた。しかし、プラド美術館のイタリア・ルネサンス絵画主任キュレーター、ミゲル・ファロミール(Miguel Falomir)氏は、「恐らく現存する中で最も古いモナリザの模写だろう」と述べ、模写はダビンチ本人のアトリエで本物とほぼ同じ時期に制作されたものだという専門家の分析にも触れた。その一方で、「ダビンチ本人は一切関わっていないだろう」とも語った。

 報道陣に公開された作品に描かれた女性は、本物のモナリザに比べより若く鮮やかな印象を受け、背景の描写もよりみずみずしい。これについて同美術館の副館長のガブリエル・フィナルディ(Gabriele Finaldi)氏は、本物のモナリザの絵は非常に汚れており、「絵画は汚れると描かれている人物が老けて見える傾向がある」とAFPに述べた。

 プラド美術館によるとこの模写作品は、3月26日からルーブル美術館で本物のモナリザと並べて展示される予定。(c)AFP/Roland Lloyd Parry