【1月18日 AFP】ネパールの暦で10月の初日に行われる、冬の終わりと暖かな季節の前触れを祝う祭り「マーグ・サンクランティ(Maghe Sankranti)」では、ウシ同士を闘わせる闘牛が人気を博しており、毎年数千人が見物に集まる。

 首都カトマンズ(Kathmandu)の北80キロにあるタルカ(Taruka)村で祭りを運営するジャナク・ラジ・ドンガナ(Janak Raj Dhungana)氏は、「闘牛はここらへんではずっと昔から行われている。祖父によれば200年以上前から続いているそうだ」と語る。

 闘牛はヌワコット(Nuwakot)地区のさまざまな場所で行われてきた。だが6年前、「ここに全部を集めて一大決戦を開催した」という。

■賞金は少額

 美しい棚田、肥よくな渓谷、レンガ色のタイル張りの家々が見渡せるヌワコットの闘牛場で15日、7組のウシが戦いを繰り広げ、草の茂る土手や泥でぬかるんだ斜面から5000人の観客が見守った。

 ネパールの闘牛はスペインの闘牛ほどの賞金は出ない。勝者のウシの飼い主が村からもらえるのは1000ルピー(約900円)。敗けたウシの飼い主にはその半額だ。

 闘牛たちは子ウシのころに抜てきされ、他のウシたちが耕作作業などにかり出される中、年に1度の大会で戦うためだけに訓練される。

■意外に穏やかな戦い

 欧州の闘牛とネパールの闘牛の最大の違いは、ネパールの方では、対戦相手を殺すまで闘わないことだ。ネパールの闘牛は一方のウシが疲れて、やる気をなくした時点で終わりになる。

 ウシたちは、スペインの闘牛より全体的に穏やかで、身構えて押し合い、ときに頭をぶつけるものの、殺し合いには発展しない。

 今年の祭りで流血の事態に最も近づいた瞬間といえば、1頭の威勢のいいウシがトレーナーの手綱を振り払って観客席に突進したのを見て、一部の観客が安全柵から落ちたときだった。

 オーナーやトレーナーは、一方のウシがけがをしたと見るやすぐに竹の突き棒でウシたちを引き離すので、深刻なけがを負うことはまれだ。

■観客が1万人を超えることも

 この闘牛大会の人気は、年々高まっている。

「観客はいつも数千人はいる」と、15日の大会を観戦していたカトマンズ在住の学生は語る。「1万5000人ほど来ることもある。とても人気なんだ」(c)AFP/Frankie Taggart

【動画】牛同士が闘うヒマラヤ風の闘牛(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)