【1月13日 AFP】「歩くのに疲れてはいませんか?」――米デザイナーが開発した「自走ローラースケート」が今週、米ラスベガス(Las Vegas)で開催中の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(International Consumer Electronics ShowCES)」に登場した。

「spnKiX」と命名されたこの未来の靴は、充電式バッテリーとモーターで駆動する。スキー靴とローラースケートを足して割ったような外見で、いささか大きすぎるように見える車輪が特徴だ。

 靴をはいたままストラップで装着する。最高時速は16キロ。クレジットカード大の手持ち式ワイヤレスリモコンでスピードを調整できる。2~3時間でフル充電でき、3~5キロ走行可能という。

 設計したのは、ロサンゼルスを拠点に活動するインダストリアルデザイナーのピーター・トレッドウェー(Peter Treadway)氏だ。1990年代から「装着できる乗り物」の開発に挑戦してきた。「spnKiX」の着想を得たのは8年ほど前だそうだ。

「ある日、ランチに出かけたら駐車する場所が見つからなかった。それで、『だったら家から目的地のすぐそばまで行ける移動手段を作ればいいんじゃないか』って思ったんだ。それがこういう楽しい製品につながったね」(ピーター・トレッドウェー氏)

 とはいえ、誰もが最初から簡単に使えるわけでもないようだ。「慣らし運転」の間はトレーニング用の補助輪が付けられる仕様になっている。トレッドウェイ氏は、あくまで個人差があるものの「数分から数時間程度でマスターできる」と話している。

「spnKiX」の開発費の一部は、クリエーティブなプロジェクトのための寄付を募るウェブサイト「キックスターター(Kickstarter)」で集められた。既に目標額2万5000ドル(約190万円)の3倍を超える8万ドル(約615万円)が集まったという。人びとの期待が高いことが示されている、とトレッドウェイ氏は喜んでいる。

「spnKiX」は3月、ロサンゼルスにある同氏の会社アクトン(Acton)から、1足649ドル(約4万9800円)で発売される予定だ。(c)AFP/Chris Lefkow