【12月26日 AFP】韓国の大邱(Daegu)で行われた第13回世界陸上大邱大会(13th IAAF World Championships in Athletics Daegu、以下大邱大会)男子100メートル決勝で失格に終わったジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)は早くも立ち直りを見せ、2012年ロンドン五輪に視線を向けている。

■更なる高みを目指すボルト、五輪で4冠も

 北京五輪で100メートルと200メートル、4×100メートルリレーの世界記録を出し、第12回世界陸上ベルリン大会(12th IAAF World Championships in Athletics Berlin)では100メートルと200メートルの世界記録を塗り替えたボルトは、連覇を狙う大邱大会100メートル決勝でフライングを犯して世界中を驚かせる失格処分を受けた。しかし、その無念を払拭するかのように200メートルで世界歴代4位の19.40秒を記録して優勝を飾ったボルトは、アンカーを務めた4×100メートルリレーでは、37.04秒の世界新記録の樹立に貢献した。

 ボルトは、ロンドン五輪で4x400メートルリレーを含めた4個の金メダル獲得を目標に据えている。五輪1大会における陸上での4冠は、達成すれば1984年ロサンゼルス五輪のカール・ルイス(Carl Lewis)氏以来となる。
 
 世界で最も市場価値のあるスポーツ選手の1人とされるボルトは、大邱大会の女子100メートルハードルで、世界歴代4位、ここ19年間では最速となる12秒28を記録して金メダルを獲得したオーストラリアのサリー・ピアソン(Sally Pearson)とともに国際陸上競技連盟(International Association of Athletics Federations、IAAF)の2011年年間世界最優秀陸上選手に選出された。

■長距離種目席巻のケニア、南ア2選手の活躍

 9日間にわたって開催された大邱大会のメダル獲得ランキングでは、米国がメダル総数25枚(金12枚、銀8枚、銅5枚)で1位、続いてロシアが19枚(金9枚、銀4枚、銅6枚)で2位、ケニアが17枚(金7枚、銀6枚、銅4枚)で3位を記録した。

 3位に入ったケニアは長距離種目で圧倒的な強さを見せ、800メートルからマラソンまでの男女全12種目のうち7種目で金メダルを獲得した。その中でも、ビビアン・チェルヨト(Vivian Cheruiyot)は、女子5000メートルと1万メートルで金メダルを獲得して注目を浴びた。

 一方、世界陸上史上初めて義足選手として大邱大会に出場した両足義足の「ブレードランナー」、南アフリカのオスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)は、男子400メートルで準決勝進出を果たした。男子4×400メートルリレーでは予選に出場し、チームの銀メダル獲得に貢献している。

 同じ南アフリカの選手では、性別疑惑が持ち上がったものの、女性としての競技復帰が認められたキャスター・セメンヤ(Caster Semenya)が、モザンビークの元スター選手、マリア・ムトラ(Maria Mutola)をコーチに任命し、800メートルで銀メダルを獲得した。

■次々と塗り替えられる世界記録、消えないドーピング

 世界陸上以外でも、世界記録が生まれた。ドイツ・ベルリン(Berline)で行われた第38回ベルリン・マラソン(38th Berlin Marathon)男子では、ケニアのパトリック・マカウ(Patrick Makau)が第35回大会でエチオピアのハイレ・ゲブレセラシェ(Haile Gebrselassie)が記録した2時間3分59秒を上回る2時間3分38秒で世界新記録を更新し、優勝を飾った。

 またドイツのハレ(Halle)で行われた陸上競技大会では女子ハンマー投げのベティー・ハイドラー(Betty Heidler、ドイツ)が79.42メートルの世界記録を出した。

 一方、大邱大会に出場した選手では、女子3000メートル障害のサラ・モレイラ(Sara Moreira 、ポルトガル)と男子4×100メートルリレーに出場した韓国の臨熙南(Lim Hee-nam、イム・ヒナム)がドーピング違反により出場停止処分となった。

 また、世界陸上のリレー種目で2度の金メダル獲得経験のあるジャマイカのスティーブ・マリングス(Steve Mullings)がドーピング陽性反応で代表から外される事態も起こった。7年間で2度目の違反だったマリングスは、ジャマイカのドーピング調査裁定委員会から永久追放処分を受けている。(c)AFP/Luke Phillips