【12月5日 AFP】中国の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は3日、強制的な結婚や労働、売春などの目的で、東南アジアから中国へ人身売買される女性の数が増加していると報じた。

 同紙が引用している中国公安部の陳士渠(Chen Shiqu)担当主任によると、中国へ人身売買されてやって来る外国人女性の数は確実に増えている。同主任は具体的な数はあげなかったが、そうした女性たちの多くはベトナムやミャンマー、ラオスなどの貧しい農村地域の出身で、中国で条件の良い仕事に就ける、あるいは裕福な中国人男性と結婚できるなどと国際犯罪組織にだまされて引き寄せられている。そして実際に中国へ着くと、広東(Guangdong)省や雲南(Yunnan)省の沿岸部や国境に近い地域で花嫁として農村へ売られたり、違法な売春施設で働かされたりしている。

 ミャンマー国境の審査官によると、人身売買される際の値段は2~5万元(約25万~60万円)の間で、外見や国籍などによって額は変わるという。

 北京を囲んでいる中国北部の河北(Hebei)省まで連れて行かれるケースもあり、同省では2009年4月以降、東南アジア人の女性206人が警察に保護されている。

 中国では男児を好む傾向と「1人っ子政策」が相まって、自然の比率では女児100人対男児105人となるはずの男女の比率が、女児100人対男児118.1人と差が大きくなっている。(c)AFP