【11月30日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)のマーガレット・チャン(Margaret Chan)事務局長は26日、ウズベキスタンの首都タシケント(Tashkent)で開かれた母子の健康に関する会議の開会演説で、世界的な経済不況のなかで子どもの死亡率上昇の危機を防ぐには、政治が積極的に子どもたちの健康問題に関与することが必要だと訴えた。

 チャン事務局長によると、直近の10年間で5歳未満の年間死亡者数は、過去60年間で初めて1000万人を大きく下回るレベルまで低下した。現在の数値は760万人前後で、死亡者数の減少は現在も続いているという。

 妊産婦死亡率の低下が最も大きかったのは、60%前後の東アジアと北米だった。

 その一方で、チャン事務局長は富裕国の死亡率には目立った改善点は見られず、食料価格の高騰という懸念すべき兆候がみられると警鐘を鳴らした。

 会議の開催国、ウズベキスタンについては、1991年の独立以降、子どもの健康問題に「高いレベルで政治が関与してきた」と称賛した。

 ウズベキスタンのイスラム・カリモフ(Islam Karimov)大統領は同会議で、数年以内に母子の健康対策に15億ドル(約1200億円)を拠出すると約束した。

 だが、国際人権団体はウズベキスタンが最近導入した家族計画について、女性に避妊手術を強制する項目が含まれていると批判している。(c)AFP