【11月24日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は23日、米国が東欧でのミサイル防衛(MD)システム配備計画を進めるならば、ロシアは対抗措置として欧州との国境地域に新型ミサイルを配備すると警告した。

 メドベージェフ大統領は同日のテレビ演説で、ロシアは欧州連合(EU)加盟国のポーランドとリトアニアと国境を接する飛び地カリーニングラード(Kaliningrad)に、最大射程500キロの短距離ミサイル「イスカンデル(Iskander)」を配備する準備を進めていると述べ、反露的なグルジアや北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコに近い南部でも、ミサイル配備の用意があると語った。

 さらに、メドベージェフ大統領は、2010年4月にバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と調印した戦略兵器削減条約「新START」からの脱退をも示唆した。

 これに対し、米国の国家安全保障会議(National Security CouncilNSC)は、「いかなる形でも、欧州でのMDシステム配備計画の制限や変更はない」と言明する一方で、「今後もロシアと共に協力の可能性を探っていく」と付け加えた。

 2008年の大統領就任以降、冷え込んでいた米露関係の修復に努めてきたメドベージェフ氏が米国との対決姿勢に転じた背景には、外交や軍事面で強硬路線をとりながら大統領復帰を狙うウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相の存在があるとみられる。(c)AFP/Stuart Williams

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