【11月9日 AFP】(一部更新)カザフスタンのバイコヌール(Baikonur)宇宙基地からモスクワ(Moscow)時間9日午前0時16分(日本時間同5時16分)に打ち上げられたロシアの火星探査機「フォボス・グルント(Phobos-Grunt)」が、火星へ向かう惑星間軌道に乗ることができず、地球周回軌道で立ち往生していると、ロシア連邦宇宙庁(Roscosmos)が同日発表した。

 同庁によると、フォボス・グルントが無線通信圏内に入るモスクワ時間の9日午後11時(日本時間10日午前4時)にフォボス・グルントとの通信を試み、バッテリーが作動する今後2週間の間に軌道修正のための再プログラミングを行う。

 同庁のウラジーミル・ポポフキン(Vladimir Popovkin)長官は、「この状況を失敗だと言うつもりはない。標準的な状況ではないが、まだ機能している状況だ」と述べた。

 フォボス・グルントは、1996年に打ち上げた「マルス96(Mars-96)」が打ち上げ後に墜落した後ではロシアにとって初の惑星探査ミッションとなる。フォボス・グルントを火星の軌道に乗せ、火星の最大の衛星フォボス(Phobos)の地表に無人探査機を着陸させ、火星の衛星の土壌サンプルを初めて地球へ持ち帰らせようという非常に野心的な計画だ。

 打ち上げ自体には問題はなかったが、打ち上げから約5時間後に予定されていた地球周回軌道からの離脱がうまくいかなかった。ポポフキン長官はエンジンがうまく動作しなかったようだと述べた。(c)AFP

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