【11月4日 AFP】中国広東(Guangdong)省の病院で前月、早産で生まれた赤ちゃんを医療チームが誤って死産と判断し、生きたままプラスチック製の袋に入れて放置する事件があったことが4日、明らかになった。地元保健当局はAFPの取材に対し、現在、病院関係者から事情を聞いているとファックスで回答した。

 広東省仏山(Foshan)市南海(Nanhai)の保健当局によると、事件があったのは同地区の南海赤十字病院(Nanhai Red Cross Hospital)。10月26日、内出血と胃けいれんで救急搬送されてきた妊娠8か月の女性が早産で出産したが、赤ちゃんは呼吸をしておらず、泣き声も上げなかった。肌も紫色だったという。

 このため赤ちゃんをとりあげた医療チームは死産と判断。赤ちゃんを廃棄することとしたが、その際、病院側が定めた手続きを取らなかったという。

■袋の中で呼吸、男児を女児と偽る?

 地元メディア仏山新聞(Foshan News)はウェブサイトで、次のように報じた。搬送された女性の義理の妹が出産30分後に病院を訪れ、赤ちゃんの遺体を見たいと求めたところ、黄色のプラスチック製の袋を渡された。「袋を開けてみたら、赤ちゃんは手足を動かしていた。おなかも上下に動いていたし、口からは泡を吹いていた」と彼女は同紙に語っている。

 さらに、生まれた赤ちゃんは女児だと聞かされていたのに、実際は男児だったことにも衝撃を受けたという。「一人っ子政策」を導入している中国では、女児よりも男児を欲しがる家族が多い。

 生存が確認された赤ちゃんはただちに新生児集中治療室に収容され、現在は安定した状態にあるという。AFPの取材に対し、病院側はコメントを拒否した。

 新京報(Beijing News)によると、赤ちゃんの両親は病院に30万元(約360万円)の慰謝料を求める裁判を起こす構えだという。(c)AFP

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