【11月2日 AFP】住宅価格高騰などを背景に、住宅を持っている独身女性と、結婚後の住居を用意できない独身男性の出会いを促す結婚仲介サービスが韓国に登場した。

 韓国の結婚では男性側が家を用意し、女性側が「婚需(ホンス)」と呼ばれる家財道具を準備するのが伝統だ。しかし、3週間前にこの逆を行く新サービスを始めた結婚仲介サイト、ソヌ(Sunoo)によると、すでに30代の男性480人、女性150人が登録したという。ソヌでは、きちんとした仕事はあるが家を持っていない男性と、すでに家を持っている女性のデートをアレンジしている。

 2日にAFPの取材に応じたソヌの広報担当、パク・ヨンソン(Park Young-Sun)氏は、韓国の結婚の伝統はゆっくりとではあるが、特に若者たちの間で変わりつつあると言う。「通常、わが社でお世話する方たちの場合、男性のほうが女性よりも裕福でしたが、厳しい経済状況などの変化から男女の役割の逆転はありえます」

 新サービスには、特に男性から、予想したよりもずっと良い反応があり、前週までに60組のカップルが誕生したと言う。「男性たちは働き始めた時には、ソウル(Seoul)に家が買えると思っています。けれど数年もすれば、一軒家を借りるのさえも不可能だと気づくんです。女性はその難しさを理解していますから、きちんとした仕事を持っていて、性格が良い男性を探しているだけです」

 この新サービスに登録する若い女性には裕福な家庭の出身者が多く、またそれよりも上の年齢層の女性は自分で仕事をした結果、家を買うに十分な貯金を持っている傾向があると言う。

 パク氏によると、年齢層が上の男性の中には、男としての自尊心が傷つくといってこうした組み合わせに引っ込み思案な男性もいるが、多くの独身者は現実的だと言う。「人生のより良いスタートのために互いに助け合えるのですから、どちらが裕福かなんて関係ないのです」(c)AFP