【10月23日 AFP】インドで22日、両親に「不要」という名を付けられた少女100人以上が、女性差別撲滅に向けた運動の一環として、集団で改名を行った。インドの女性差別は、同国の男女人口比に大きな偏りを生み出している。

 インド西部マハラシュトラ(Maharashtra)州で使われているマラティー語で「不要」を意味する「ナクサ(Nakusa)」と命名された女の子200人のうちおよそ150人が、サタラ(Satara)地区当局の主導で改名を実施した。

 同地区の女性差別に取り組んできた地区保健当局のバグワン・パワル(Bhagwan Pawar)氏は「222人のナクサを見つけた」と、AFPの取材に語った。「彼女たちがナクサと呼ばれた理由は、男児を望む家庭に生まれた2~4人目の女児だったからだろう」

 伝統的に、特にインドの貧しい地方部では、結婚の際に新郎側に多額の持参金を払わなければならないため、女児は一家の経済的負担とみなされてきた。

 地元の「セーブ・ガールチャイルド(Save Girl Child)」運動を運営するスダ・カンカリア(Sudha Kankaria)氏は、ナクサと名付けられた少女たちは、名前のせいで自尊心を持てず、気後れし、差別されており、少女たちが自分の娘たちにその不安感を受け継がせる危険性もあると語る。

 カンカリア氏は「悪循環を打ち破らなくては。このプロジェクトは、今いるナクサだけでなく将来のナクサたちにも有益だ」と述べた。(c)AFP/Phil Hazlewood

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