【9月30日 AFP】非常に珍しい真っ白な子どものザトウクジラが29日、オーストラリア沖合の世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)付近で見つかり、目撃した人たちの間で「一生に一度見ることができるかどうか」だなどと話題になっている。

 このザトウクジラは生後およそ2、3週間とみられる。グレートバリアリーフのウィットサンデー諸島(Whitsunday Islands)にある港、シド・ハーバー(Cid Harbour)で、地元在住のウェイン・フューイングスさんが家族とクルージング中に発見した。

   「なんとなくボートで漂っているときに、白い子クジラがいることに気づいたんだ。目を疑ったね。すぐにカメラをつかんだよ。すると、子クジラは僕たちを確かめるみたいにボートに近づいてきた。ただ、ただ、見とれたよ。グレートバリアリーフはなんて素晴らしいんだって思った。見ることができたのは本当にラッキー。一生に一度の経験だよ」(フューイングスさん)

 グレートバリアリーフ海洋公園のマーク・リード(Mark Read)氏によると、白いクジラは極めて珍しく、豪東海岸ではザトウクジラ1万~1万5000頭につき10~15頭程度しか存在しないとみられている。しかも、29日に出現したような純白の個体はさらに珍しいという。

 このクジラの両親は、白いクジラの劣性遺伝子を持った普通のクジラの可能性があるが、どちらか片方の親も白い可能性もあるという。オーストラリアでは1991年、全身真っ白のザトウクジラ「ミガルー(Migaloo、先住民アボリジニの言葉で「白いやつ」の意味)」が目撃され、多くのファンを魅了して世界で最も有名な白クジラとなった。今回見つかった子クジラは、このミガルー」の子どもかもしれないと想像する声も出ている。(c)AFP