【9月17日 AFP】混獲されて死ぬウミガメの数は漁網の改良によって大幅に減ったものの、規制が不十分な米国のエビのトロール漁業で依然として年間4600頭が犠牲になっているという論文が、14日の専門誌「Biological Conservation」に掲載された。

 米デューク大(Duke University)などによるこの研究によると、ウミガメが逃げられるように扉をつけた漁網(Turtle-excluder device、TED)や訓練を受けた監視員を漁船に同乗させるなどの対策により、1990年代以降、漁業の犠牲になるウミガメの数は最大で94%も減少した。

 現在の年間死亡頭数は、保護対策がとられる前の最高推計値だった7万1000頭から「劇的な減少」をとげた。これらの対策はメキシコ湾(Gulf of Mexico)や米南東部沖合で操業している約4700隻のエビのトロール漁船にも義務づけられているが、政府の介入を嫌う土地柄もあって、規制を守っているのはこれらの漁船の21%に過ぎないという。

 研究チームは、漁業従事者が個別に政府から年間ウミガメ混獲頭数の許可を受けている現在の方式を改め、米南東部沖のウミガメ全体の生息数を守る包括的な保護対策を導入すべきだと訴えている。(c)AFP/Kerry Sheridan