【9月11日 AFP】亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議(World Uighur Congress)」は11日、中国当局が過去10年間にわたって「テロとの戦い」を口実にして、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で数千人のウイグル人イスラム教徒を拘束してきたと述べた。

 ドイツを拠点とする世界ウイグル会議は、中国当局が新疆でのあらゆる社会不安を「テロリズム、分離主義者、宗教上の過激主義者」の勢力と関連づけ、犯人とされる人物たちを拘束し、ときには処刑したと批判した。

 同会議のラビア・カーディル(Rebiya Kadeer)代表は「中国当局は、ウイグルのあらゆる平和的な政治的、社会的、文化的な反対意見を弾圧するための完璧な口実を9.11に見いだした」と声明で述べた。「政府の政策に対する抗議の数は中国全土で日に日に増しているが、ウイグル人の抗議だけが『テロリズム』とされている」

 新疆・ウイグル自治区では7月にも、ナイフによる2件の襲撃事件や、40人以上が死亡するウイグル人と警官隊との衝突が起き、緊張が高まっていた。同自治区はアフガニスタンやパキスタン、ロシアとも境界を接している。

 世界ウイグル会議によると、暴動を扇動したとされるウイグル人には、主に国家転覆や分離独立などを含む「国家治安」法を適用して有罪判決が言い渡されている。

 世界ウイグル会議が報道や人権団体の報告書をもとにまとめたところ、9.11米同時多発テロを受けた「テロとの戦い」に中国が加わった2001年以降、国家治安法違反で服役したウイグル人は7000人に上る可能性があるという。

 また、2001年以降、中国が近隣国から送還させることに成功したウイグル人は少なくとも180人に上り、それらの人びとは、国家治安法違反で有罪判決を受けた後、収監されたり処刑されたりしたという。(c)AFP