【9月4日 AFP】米中央情報局(CIA)がテロ容疑者を尋問のためにリビアに移送するなど、リビアのムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)政権の情報機関とCIAとの緊密な協力関係を示す文書が、リビア政府施設から発見された。メディア各紙が報じた。

 この文書は国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)の調査員らがリビアの情報機関本部から発見した。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は2日、同文書を引用し、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前政権下でCIAが、リビアにテロ容疑者を移送したうえ、リビアの尋問担当者が行うべき尋問内容についても提案を行っていたと報じた。

 また、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、リビアは拷問を行うことで知られているにもかかわらず、米情報当局は、テロ容疑者らを少なくとも8回、尋問のためにリビアに移送していたと報じた。

 同紙によると、その見返りとしてリビア側は、反政府勢力幹部の身柄引き渡しを要請し、CIA高官は2004年3月に「双方の機関の利益のため、この関係が発展するようわれわれは尽力する」と述べ、幹部の居場所特定に全力を尽くすことを約束していたという。

 また、英紙インディペンデント(Independent)によれば、同文書には英秘密情報部(MI6)とリビア情報機関との関係を示す内容も書かれていた(c)AFP