【8月19日 AFP】スペインのアパレル大手インディテックス(Inditex)傘下のブランド「ザラ(ZARA)」が非人道的な労働条件を強制しているとの訴えを受け、ブラジル当局が調査に乗り出した。ブラジル労働省報道官が17日、AFPの取材に明らかにした。

 サンパウロ郊外の工業都市アメリカーナ(Americana)の工場で、不法移民を含む労働者が非衛生的な環境下での長時間労働を強いているとの訴えについて、5月に調査を開始。工場の強制捜査で、息苦しいほど暑い劣悪な室内に労働者らが閉じ込められ、1日14時間も労働させられている実態を暴いたという。

 労働者らは、工場の2階に設けられた宿舎に寝泊まりしていた。また、サンパウロ市内の別の2工場でも、同様の労働環境だったことが発覚したという。

 これらの工場は、ザラなどの商品製造のブラジルでの製造元「ローデス(Rhodes)」の下請け工場だった。

 インディテックスは17日、ブラジルのメディアに声明を発表。調査結果を受けて初めて実態を知ったとして、下請け業者に労働環境を「早急に正規化するよう」指示したと釈明した。

  ブラジル労働省はザラに対し、52件の違反で罰金を科したほか、「奴隷労働契約」容疑での訴追および搾取企業としてブラックリストに乗せるかどうかを検討しているという。(c)AFP