【7月21日 AFP】南シナ海(South China Sea)の南沙諸島(Spratly Islands)の領有権をめぐり中国への反発を強めているフィリピンの議員団は20日、フィリピンが実効支配するパグアサ島(Pag-asa Island、中国名:中業島、Thitu Island)を視察した。中国は、訪問によって両国関係が損われ地域の不安定化を招くと警告していたが、これを無視しての視察強行となった。

 パグアサ島を訪問した議員5人は、フィリピン軍兵士や地元自治体高官、報道陣らとともにチャーター機で島に降り立ち、政府庁舎にフィリピン国旗を掲揚。ウォールデン・ベロ(Walden Bello)下院議員は、領有権問題の平和的解決を促進させるための視察だと説明しつつ、「フィリピン国民はフィリピンの領土を守る用意がある」などと強調した。

 南シナ海に広がる南沙諸島には豊かな海底資源が眠っているとみられ、海上交通においても重要な海域にあることから、中国、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、台湾が一部の領有権を主張している。(c)AFP

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