【6月29日 AFP】韓国で、伝統的に食されている犬肉の消費促進を狙ったイベントが、国内の動物愛護団体やインターネットを通じた国民からの強い抗議を受け、中止になった。

 イベントの主催団体、南韓飼狗業者協会(The Korea Dog Farmers' Association)のアドバイザーを務める忠清大学(Chung Cheong University)の安龍根(Ann Yong-Geun)教授が28日、AFP通信に語った。教授は「抗議の電話が鳴り止まず、計画を中止せざるを得ない」と話した。

 ソウルの南、城南(Seongnam)市で7月1日に計画されていたこのイベントは食用犬を販売することで有名。主催団体は、犬肉の焼肉やソーセージなどさまざまな犬料理のほか、犬の成分を配合した化粧品や蒸留酒などの製品も紹介すると宣伝していた。

 同教授によると、一般的なイメージとは異なり、衛生的な環境で犬を飼育する様子を示したビデオクリップや写真が展示される予定だったという。韓国には現在、約600の食肉犬の畜産農家が存在するという。

 韓国では昔から犬の肉を食べる習慣があり、「ボシンタン」と呼ばれる犬肉を使ったスープは夏の珍味。だが、こうした習わしに反発し、国の恥だと考える国民が増えているのが現状だ。(c)AFP