【6月10日 AFP】人間が背中に担いだ小型ジェットエンジンで、自由自在に空を飛ぶ―こんなSF小説の世界がいよいよ現実のものとなりそうだ。ニュージーランドの発明家、グレン・マーティン(Glenn Martin)さんが、30年をかけて開発した初の実用ジェットパックを、1年半以内に一般発売する予定だと発表した。

 5月21日にマネキンを使い、リモコン操作で行った試験飛行では、ニュージーランド南島カンタベリー平原(Canterbury Plains)上空の高度1500メートルの飛行に成功した。

 当初は救急時の医療関係者などの使用を想定しているが、最終的には上空からテレビカメラで渋滞情報をレポートしたり、通勤での利用、さらには空中散歩も楽しめるようになると、マーティンさんは語る。

 数々の試作品開発を経て最終的にマーティンさんが開発したジェットパックは、米国の超軽量飛行機基準を満たすよう本体の重量を115キロ以内に収めた。これに20リットルの燃料タンクを搭載する。

 理論的には、このジェットパックで30分間、距離にして50キロの飛行が可能だ。操縦方法をマスターするには1時間もあれば十分だという。

 マーティンさんが、最も強調するのは、使用する燃料が普通のガソリンだという点だ。「ちょっと近くのガソリンスタンドに立ち寄って、ガソリンを満タンにして、また、さっと飛び立てるんだ。パイとコーラを片手にね」

 ジェットパックは現在、一般発売に向けた最終テスト段階だが、マーティンさんは、年内にもテストを終えて、2012年には10万ドル(約800万円)で発売を開始したいと話している。(c)AFP/Neil Sands

【動画】将来は通勤も可能に? 空飛ぶ「ジェットパック」一般販売へ (YouTube/AFPBB News公式チャンネル)