【6月5日 AFP】米コネティカット(Connecticut)州の裁判所は3日、エール大学(Yale University)の女子学生、アニー・レー(Annie Le)さん(当時24)に性的暴行を加えた上で殺害し、遺体を研究棟の壁の中に隠したとして、殺人罪などに問われた同大学研究員のレイモンド・クラーク3世(Raymond Clark III)被告(26)に、禁錮44年の量刑判決を言い渡した。クラーク被告は仮出所が認められず、68歳になるまで出所できない。

 2009年、エール大学の研究棟の壁の中から、暴力を受けた跡のある半裸のレーさんの遺体が見つかった。遺体発見から4日後に拘束されたクラーク被告は、ことし3月の公判で有罪を認め、死刑は免れていた。

 事件後拘束されたままだったクラーク被告は、初めてとなる公式の声明として、「アニーさんの命を奪ったことを、本当に、本当に申し訳なく思う」と語った。「誰も傷つけたくなかった。アニーは私よりもはるかに素晴らしい人間だった」

 検察側は、小柄なレーさんは存命中にあごの骨と鎖骨を折られ、背中に傷を負ったと述べ、死亡前に暴力的な性的暴行があったと主張していた。洗濯かごの中から取り出された研究室用のズボンに付着した精液からはクラーク被告のDNAが検出され、血痕のついた靴下や研究者向けのコートからも、レーさんとクラーク被告のDNAが検出されていた。

 暴行で室内は血まみれになり、クラーク被告はレーさんを縛りつける際に顔に引っかき傷を負った。また、レーさんが身につけていたネックレスから落ちたビーズは、複数の部屋に転がっていたという。(c)AFP/Nancy Burton

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