【6月1日 AFP】米国防総省は5月31日、現在、作成中のサイバー攻撃を想定した防衛戦略のなかで、深刻なサイバー攻撃については軍事行動を含めた対応をとる可能性を示唆した。
 
 前月には米軍需産業大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)のコンピューターシステムがサイバー攻撃を受けるなど、サイバー攻撃の懸念が高まるなか、米政府は初めて、その対応を規則として明文化する作業に取り組んでいる。

 これについて国防総省のデーブ・ラパン(Dave Lapan)報道官は31日、米政府はサイバー攻撃に軍事行動で応酬する可能性を排除していないと述べた上で、「サイバー攻撃には必ずしもサイバースペース上で応酬する必要はない。サイバー攻撃であろうとなかろうと、攻撃された場合には適切な選択肢すべてが俎上(そじょう)に上る」と話した。

 一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)が米国防総省高官の話として報じたところによると、防衛戦略案には深刻なサイバー攻撃については「戦争行為」と見なすとの文言が盛り込まれているという。

 米政府は前月16日にもサイバー攻撃に対する国際戦略を発表しているが、このなかでも「サイバースペースでの敵対行為に対しては、その他の脅威に対して、わが国が行う方法と同様の手段で対応する。つまり、わが国や同盟国、米国の国益を守るために、該当する国際法に則して外交、軍事、経済、情報面において必要となる、あらゆる手段を用いる」としている。

 サイバー攻撃を想定した防衛戦略は、2、3週間以内にまとまる予定。(c)AFP/Shaun Tandon