【5月26日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は26日、5月に福島第1原子力発電所海域を中心に実施した海洋の放射能汚染調査で、沖合約22キロより外において、国の暫定規制値を超える放射性物質を検出したと発表した。

 グリーンピースでは調査船で採取したサンプルの分析を独自にベルギーとフランスの研究機関へ依頼したところ、魚貝類や海草など幅広いサンプルから、ヨウ素131やセシウム137など、暫定規制値を超える放射性物質が検出された。

 グリーンピースの放射能専門家ジャン・バンデ・プット(Jan Vande Putte)氏は東京で会見し、今回のデータは福島原発から離れたところまでかなりの量の汚染が広がっていることを示すものだと警告した。

 グリーンピースの調査では、放射性セシウム(セシウム134と137)が、カキ(貝)で740ベクレル、エゾアイナメ(魚)で857ベクレル、マナマコで1285ベクレル、アカモク(海草)で1640ベクレル検出された。

 また放射性ヨウ素131の暫定規制値は2000ベクレルだが、アカモクの中には12万7000ベクレルのヨウ素131が検出された例もあった。

 グリーンピースは、今回採取した高汚染の海草サンプルを1キロ食べれば、国際的な年間被爆限度量の約3倍にあたる2.8ミリシーベルト相当の被爆量が加わる計算になると指摘している。

 プット氏は、放射線物質は海洋生物に蓄積されていくと述べた。また、海草から検出された放射性ヨウ素の濃度が高いことから、海岸に沿って広い範囲で汚染が広がっていることが示されていると語った。(c)AFP/Yuka Ito


【参考】グリーンピースのプレスリリース(調査内容の詳細)