【5月23日 AFP】数週間前に相次いでクラウド音楽サービスを発表した米グーグル(Google)と米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)に続き、米アップル(Apple)もこの分野に参入するようだ。

 複数の報道によると、アップルはクラウドコンピューティングをベースにした音楽サービスを来月開始する予定で、これまでに4大レコード会社のうち3社と合意に達したという。

 新サービスは、6月6日に米サンフランシスコ(San Francisco)で開幕するアップルの年次開発者会議「ワールドワイド・デベロッパーズ・カンファレンス(Worldwide Developers ConferenceWWDC)」で発表される可能性が高い。これまでも、アップルの主力製品はWWDCで発表されてきた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、アップルの新サービスは、音楽をインターネットの「クラウド」上に保管して、コンピューターやスマートフォン(多機能携帯電話)、タブレット型端末など複数の機器で再生できるようだ。

 アマゾンは、3月下旬に同様の「クラウドドライブ(Cloud Drive)」と「クラウドプレーヤー(Cloud Player)」を発表していた。登録ユーザーは、アマゾンが提供するサーバーに音楽をアップロードして、グーグルの「Android」を搭載した端末で再生できるというサービスだ。

 また、グーグルも5月初めに「グーグルミュージック(Google Music)」のベータ版を発表。オンラインライブラリに音楽を登録することで、コンピューターやスマートフォン、タブレット端末でストリーミング再生することができるサービスだ。ベータ版では楽曲の販売は行われておらず、ユーザーがすでに所有している楽曲をユーザーが自らアップロードする手間がかかる。

 これに対し、アップルはより包括的なサービスの提供を準備しているとみられる。

 アップルが切り札として準備しているのは「iTunes」のようだ。2003年に始まったオンライン音楽ストアで、顧客数は2億人、これまでの販売楽曲数は100億曲に上る。

 さらに、アマゾンやグーグルは4大レーベルと契約を結ばずに音楽サービスを始めたが、NYタイムズによれば、アップルはEMIミュージック(EMI Music)、ソニー・ミュージックエンタテインメント(Sony Music Entertainment)、ワーナー・ミュージック・グループ(Warner Music Group)の3社とすでに合意に達したという。

 その上、ユニバーサル・ミュージック・グループ(Universal Music Group)とも交渉中で、他にも著作権などを保持する音楽出版社とも交渉中だという。(c)AFP/Chris Lefkow