【5月23日 AFP】米国で人気の教育番組「セサミストリート(Sesame Street)」といえば、小学校就学前の子どもたちが楽しみながら文字や数字を学べるプログラムだが、21日に放映を開始したナイジェリア版は、アフリカならではの味付けが施されている。

 番組タイトルが「セサミスクエア(Sesame Square、セサミ広場)」に代わり、ビッグバード(Big Bird)がナイジェリア訛りの英語を話すというだけではない。ナイジェリアの主食ヤムイモが大好物の「ゾビ(Zobi)」や、母親をエイズ(HIV/AIDS)で亡くし自らもHIV陽性という5歳の少女「カミ(Kami)」など、米国版にはないキャラクターが登場する。

 アフリカでまん延するHIV感染やナイジェリアで毎年30万人が命を落としているマラリアの問題を、子どもたちにわかりやすく伝え、予防に役立てようという試みだ。

 カミはいつも、エイズ撲滅を願う赤いリボンを身につけている。性格は忍耐強く、陽気で思いやり深い。こうしたキャラクター設定には、HIV感染者に対するステレオタイプな見方を変えたいとの思いが込められている。

 ゾビは、ニューヨーク(New York)の名物タクシーのイエローキャブを所有している。あるエピソードでは、「マラリアを防ぐんだ」と言い張って蚊帳(かや)で体をぐるぐる巻きにしてみせるゾビに、カミが「蚊帳は着るものではなく、寝るときにその中に入るものだ」と使い方を教えてやる場面が出てくる。

「(子どもたちは)面白おかしく蚊帳の使い方を学べるうえに、なぜ蚊帳が必要なのかについて考えることができる」と、ナイジェリア版の番組プロデューサーは構成の意図を説明した。

「セサミスクエア」は30分番組で、週2回、国営ナイジェリア・テレビ公社(NTA)で放映される。今のところは、3シーズンの放映が決まっている。(c)AFP/Susan Njanji