【5月13日 AFP】米海軍の特殊部隊「シールズ(SEALs)」による国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者殺害から2週間近くが経った。いまや米国のあちこちで、SEALsのバッジや紋章を身につけた自称「シールズ隊員」が増殖している。

 「シールズ隊員」たちは、教会やグレイハウンド(Greyhound)長距離バス、全米各地のウォルマート(Wal-Mart)やファストフード店など、およそあり得ない場所でも目撃されている。

 シールズの画像を掲載したりTシャツを販売する非公式ウェブサイトのチャットコーナーでは、「ジーン」と名乗る男性が、「グレイハウンド・バスでシールズだというやつに会ったよ。まだ19歳の子どもだったけどね。ウォルマートでもゴルフ帽にシールズのピンバッジをつけた男を見た。タコベル(Taco Bel、タコスのファストフード・チェーン)にもいたな」と語っている。「体重が140キロもあるシールズがいるなんて、知らなかったよ」

 元シールズ隊員のドン・シップリー(Don Shipley)さんによると、シールズを名乗る詐欺行為は、ビンラディン容疑者の殺害前の1日あたり15~20件から、今では40~50件に急増しているという。

 「ビンラディンの事件以降、もう誰でもシールズなんだ」(シップリーさん)

 だが、ビンラディン容疑者の殺害作戦を完璧に遂行したシールズの「チーム6」のお膝元のバージニア・ビーチ(Virginia Beach)では、事情は異なるようだ。

 ここで地元住民に、どこでシールズ隊員や「チーム6」のメンバーを見られるか、尋ねてみるといい。無理だと言われるか、面と向かって会ったとしても、その事実を知ることはないとの答えが返ってくるだろう。バージニア・ビーチの遊歩道に宝石店を構える女性が言うように、「本物のシールズは、自分が隊員であることを決して明かさない」からだ。(c)AFP/Karin Zeitvogel and Virginie Montet