【4月28日 AFP】米国の法律は、大統領選立候補資格に「米国生まれの米国人であること」と規定しているが、果たしてバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は本当に米国生まれなのか――。2012年の大統領選を前にこのような疑問が多方面から持ち上がっていることを受け、オバマ大統領は27日、ハワイ(Hawaii)州から取り寄せた出生証明書の原本コピーを公開した。

 大統領が08年の立候補当初の無名時代からあったこの疑問は、大統領選出馬に意欲を示している不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が最近疑義を唱えたことがきっかけで、再燃。テレビ番組でも、オンライン上でも、激しい議論が戦わされるようになった。なお、大統領は08年に「出生証明書」を公表しているが、パソコンで印字した簡略版だった。

 こうした状況に業を煮やしたオバマ大統領は、急きょ会見を開き、原本コピーを公開。「このような愚かなことに割く時間などない。しなければならないことはほかにたくさんあるではないか」と苦言を呈した。各テレビ局は放送中の番組を中断し、会見の模様を生中継した。

 原本コピーには「オアフ島ホノルル(Honolulu)で1961年8月4日、午後7時24分に出生」と書かれている。(c)AFP/Stephen Collinson

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