【4月16日 AFP】「世界で初めての3Dポルノ映画」と銘打たれた映画『3-D Sex and Zen: Extreme Ecstasy』が14日、香港で封切られ、長蛇の列が出来た。チケットが完売した劇場もあったという。

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 映画『3-D Sex and Zen』は、中国の古典を基にした113分のストーリーで、制作費は320万ドル(約2億7000万円)。18歳未満は鑑賞禁止で、乱交パーティーやパートナー交換のセックスなど、非常に生々しいセックス描写が売りだ。

■封切り日は大人気

 封切り日には、劇場前にサラリーマンから退職者、学生までさまざまな人びとが長蛇の列を作った。女性も多かったが、ポルノ映画を観るのは特に恥ずかしいことではないとのことだった。

 ある女性(32)は「普段は映画に行かないけど、これは見逃せないわ。大画面で3Dポルノ映画を観ておきたい」と語った。

 また、別の女子大生(21)は、朝一番の上映を観た。「みんながとても気になってる。劇場でX指定の映画を観るのは人生で初めて。とっても興味深いものになると思うわ」と語った。

 仕事を抜け出して来たという男性は、「最初の上映回を観て、友人たちの中で一番乗りをしたいんだ」と語った。

 チャイナ3Dデジタルエンターテインメント(China 3D Digital Entertainment)の広報担当者は、「売上には非常に満足している」と語る。

   「前週の時点で、今週末のチケットは7~8割が売れた。大人気だよ」と、広報のSharyn Yau氏は語った。

■中国の古典を基にしたストーリー、日本人女優も参加

 この映画の主要な舞台は洞窟。作り物の電飾の岩や、エロティックな壁画、毛皮のじゅうたんに囲まれ、明時代のアンティークを模した家具も並ぶ。

 中国の古典官能小説「肉蒲團(The Carnal Prayer Mat)」を基にしたストーリーで、貴族たちのエロティックな世界を体験した男性が、元の妻こそが最愛の人だと気づくという内容。

 日本人女優、周防ゆきこ(Yukiko Suo)や原紗央莉(Saori Hara)も出演する。

 台湾では15日に封切られ、その後日本や韓国、欧州、米国に上陸する予定。

■評論家は批判的?

 一方、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)の映画評論家ポール・フォノロフ(Paul Fonoroff)氏は、出来映えに批判的だ。   「この脚本の表面上のモラルは、奔放な乱交よりも1人を愛するべきだというもの。だが、もしそのモラルを本当に実践した映画であれば売上ががた落ちになることは明らかだ。それが最大の皮肉だ」と、フォノロフ氏は述べ、映画はセックスシーンが長すぎて一面的で情感に欠けると酷評した。(c)AFP/Joyce Woo