【4月15日 AFP】どう猛な肉食恐竜の目は暗闇でも良く見え、夜間でも獲物を捕らえることができたと、米大学の研究チームが14日の米科学誌サイエンス(Science)に発表した。

 カリフォルニア大デービス校(University of California, Davis)などの研究チームは、恐竜の化石33サンプルと現生のトカゲと鳥164個体について、目の周囲にあるリング状の骨「強膜輪」のサイズを測定し、眼窩(がんか)の大きさと比較することで、恐竜の暗視能力を探った。

 すると、昼行性動物の眼窩は強膜輪に比べて小さく、夜行性動物の眼窩は強膜輪に比べてはるかに大きいことが分かった。昼夜とも活動する動物の眼窩は、両者の中間くらいだった。

 この測定方法に照らしてみると、初期の鳥である翼竜(プテロサウルス)は、現生鳥類同様に昼行性。一方、映画『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』に登場する小型肉食恐竜ベロキラプトルは、夜行性とみられる。

 ただし、大型の肉食恐竜ティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex、T・レックス)も夜行性だったかどうかは、保存状態の良い目の化石がないため不明だという。

 なお、草食恐竜の場合は、腹を満たすため四六時中食べ続けなければならなかった可能性が高いため、夜目がきいたと考えられるという。

 これまでの定説では、大半の恐竜は昼間に狩りを行い、小型ほ乳類は(恐竜のいない)夜間に活動していたとされていた。(c)AFP