【4月4日 AFP】3日投票のカザフスタンの前倒し大統領選で、現職のヌルスルタン・ナザルバエフ(Nursultan Nazarbayev)氏(70)が95%を超える得票率で再選を果たした。だが、国際選挙監視団は、民主主義の基準をまったく満たさない選挙だったと批判している。

 カザフスタンの中央選挙管理委員会によると、大統領選挙の投票率は89.9%。得票率では現職のナザルバエフ氏が95.5%と圧勝した。投票率、ナザルバエフ氏の得票率ともに、2005年の前回選挙を超える数字となった。

 旧ソ連が崩壊する前からカザフスタンの大統領だったナザルバエフ氏は、約30年間の統治のなかで後継者の芽を徹底的に摘み取ってきた。

 アラブ地域で民衆蜂起により長期政権が次々と倒れた後で行われた今回の繰り上げ大統領選は、主要野党がボイコットし、欧米社会が監視するなかで実施された。しかし候補者の1人、環境活動家のメルス・エレウシゾフ(Mels Yeleusizov)氏が「勝利者への敬意を表するため」としてナザルバエフ氏に投票するなど、この選挙の非競争的な性格があらためて示された一幕もあった。

 選挙結果を受け、欧州安保協力機構(OSCE)の国際選挙監視団はただちにナザルバエフ氏の勝利に疑問を投げかけ、「真の民主主義」の基準からほど遠い選挙だったと批判した。

 OSCE監視団は「有権者リストに同一人物のものと思われる多数の署名があったり、多重投票などが横行したりするなど深刻な不正があった」と報告し、「今回の結果が、(同国における)過去の選挙と同様の欠点を示したことから、真に民主的な選挙を実施するのに必要な改革の実現が依然として求められている」との声明を発表した。(c)AFP/Dmitry Zaks