【4月4日 AFP】大統領選結果をめぐる前大統領と元首相の対立が、武力衝突に発展したコートジボワールで3日、旧宗主国フランスの駐留部隊がアビジャン(Abidjan)国際空港を支配下に置いた。戦闘開始から4日目を迎えた同国西部では、市民の大量虐殺が伝えられているが、双方とも互いの責任を非難している。

 市内の仏軍基地には、暴力行為や略奪が横行する市内から逃れた外国人1500人以上が避難している。仏軍は市内にも兵士300人を投入して治安維持を強化している。

 コートジボワールでは、前年11月の大統領選の後、当選を国際社会が承認するアルサン・ワタラ(Alassane Ouattara)元首相と、落選を認めず大統領職を辞さないローラン・バグボ(Laurent Gbagbo)氏の双方が大統領に就任。両者の支持勢力の対立が激しい戦闘に発展している。

■虐殺関与、双方とも否定

 西部ドゥエクエ(Duekoue)で数百人が虐殺されたとの報告もあり、国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は3日、ワタラ氏と電話で会談。事態を非常に憂慮していると述べ、虐殺に関与した可能性のある支持者らについて適切な処置を取るようワタラ氏に求めた。

 国連の報道官によると、ワタラ氏は支持者の虐殺関与は否定したが、調査を命じたと語ったという。

 一方、バグボ氏の報道官も仏パリ(Paris)で会見し、バグボ氏側の軍隊は虐殺に一切関与していないと主張した。

 アビジャンのAFP記者や住民らの証言によると、3日朝の時点で大統領官邸付近で散発的な戦闘が起きているが、市内の拠点はワタラ元首相側が掌握しているという。

 バグボ氏の所在は不明だが、支持勢力を総動員して拠点を死守。旧宗主国のフランス軍を「占領軍のように振る舞っている」と非難するなど、フランスへの言葉による攻撃を強めている。(c)AFP/Christophe Parayre

【関連記事】
総攻撃か、バグボ氏邸付近で戦闘 コートジボワール
コートジボワール西部で遺体多数、「バグボ氏側による虐殺」とワタラ氏