【3月25日 AFP】英国の名門オーケストラ、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Philharmonic Orchestra)が前週ロンドン(London)で、物言わぬ「奇妙」な観客たちの前で一風変わったコンサートを開いた。

 同楽団の24日の発表によれば、33人の楽団員によるカドガン・ホール(Cadogan Hall)でのモーツァルト作曲「交響曲第40番」などの演奏に、客席で3時間にわたって「耳」を傾けたのは、ゼラニウムやフクシアなど100種類の植物や球根たち。コンサートは、音波の振動が植物のタンパク質合成を促進し、成長を早める効果があるとの説を実証する目的で、TVショッピング専門番組QVCが主催した。

「これまでも変わったコンサートを開いてきたけれど、今回のものは一番妙だったね」と、指揮者のベンジャミン・ポープ(Benjamin Pope)氏。「今までで最もはなやかな聴衆だったことは確かだが、拍手や歓声もなく頭を垂れたままの聴衆を見るのは、ちょっと気持ちがなえたかな」と明かした。

 それでもポープ氏は、「クラシック音楽と植物が共鳴した結果、春の植物が咲き誇るならば、素晴らしいね」と話した。

 このコンサートの演奏は、45分間のアルバム「The Floral Seasons: Music to Grow To(花々の季節:成長を育む音楽)」として編集され、無料でダウンロードできる。ガーデニング愛好家には朗報だ。

 ちなみに、このコンサートの「聴衆」となった植物たちも販売されているという。(c)AFP