【3月22日 AFP】音楽評論家に情け容赦なく酷評された13歳の少女の曲が、ユーチューブ(YouTube)で3000万回再生され、iTunesのチャートで上位に入るなど大きな話題になっている。

 ロサンゼルス(Los Angeles)の音楽会社アーク・ミュージック・ファクトリー(Ark Music Factory)は2月、カリフォルニア(California)州に住む13歳の少女レベッカ・ブラック(Rebecca Black)さんの両親から依頼され、レベッカさんの歌う「フライデー(金曜日)」をプロデュースしユーチューブに投稿した。

「今日は金曜日、楽しい金曜日。誰もが週末を待ち望んでる。パーティー、パーティー。楽しい、楽しいわ。週末が楽しみ」といった歌詞のこの動画は当初、ほとんど注目されなかった。

■辛らつなコメント続々

 しかし、有名コメディアンが10日前、自身のブログにこの動画へのリンクを張り、「誰もが曲を作れるわけじゃない」とコメントしたことで状況は一変。ユーチューブでは注目を集め始め、ヤフー(Yahoo!)の音楽ブログでは「心が溶けてしまうほどゾッとする曲」、「ユーチューブでセンセーションを巻き起こしているレベッカ・ブラックの『フライデー』は史上最低の曲ではないか」と掲載された。

 米タイム(Time)誌は、この曲は「大失敗」であり、ビデオについては「笑ってしまうほど恐ろしい」と評した。

 しかし、これらのマイナス評価は曲に対する関心を高め、ユーチューブの再生回数は急上昇。パロディー動画が次々と投稿され、レベッカさんは一大センセーションとなった。

 ユーチューブでは1万7000人の高評価に対し13万3100人が低評価としているにもかかわらず、iTunesの99セントのシングルチャートでは45位に入っている。

■レベッカさん本人がテレビ出演

 酷評の中、レベッカさんはABCの番組「グッドモーニングアメリカ(Good Morning America)に出演し、心境を語った。

「こういった意地悪なコメントを初めて読んだときは泣いたわ。すべて私のせいだと思った。こんなこと、すべきじゃなかった、全部私が悪いんだって」

「でも今は、そんな風には考えてない。私にはある程度の才能があると思う。最低な歌手だとは思ってない。だけど最高だとも思ってないわ」

 誰とデュエットしたいかと問われたレベッカさんは、ユーチューブをきっかけに有名アイドルとなったジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)を挙げた。(c)AFP

【参考】レベッカ・ブラックさんの「フライデー」(YouTube)